相続税の基礎控除
相続が発生した時、一定額が控除されます。
基礎控除額の計算式
基礎控除額=(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
相続税の申告をする場合・・・・・遺産総額 > 基礎控除額
相続税の申告はしない場合・・・・遺産総額 < 基礎控除額
法定相続人
[令和3年4月1日現在法令等]
相続人の範囲や法定相続分は、民法で次のとおり定められています。
- (1) 相続人の範囲
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶 者と一緒に相続人になります。- 第1順位
死亡した人の子供
その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が 相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
- 第2順位
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。
第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。 - 第3順位
死亡した人の兄弟姉妹
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。
- 第1順位
- なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。 - (2) 法定相続分
- イ 配偶者と子供が相続人である場合
配偶者1/2 子供(2人以上のときは全員で)1/2 - ロ 配偶者と直系尊属が相続人である場合
配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3 - ハ 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
- イ 配偶者と子供が相続人である場合
- なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の取り分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
(民法887、889、890、900、907)
「相続を放棄した人」とは、(自己のために)相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続の放棄の申述をした人のことをいいます。相続の放棄の申述をしないで、事実上、相続により財産を取得しなかった人はこれに該当しません。
(相基通3-1)
代襲相続権の有無
図示する場合、Aに相続が開始したときに、Dは養子Bの代襲相続人となりますか。
Dは、被相続人Aの実子Cを通じて被相続人の直系卑属になりますから、養子Bの代襲相続人となります。
【関係法令通達】
民法第887条第2項
養子縁組前に出生した養子の子の代襲相続権の有無
被相続人に相続が開始したときに、G、H及びIは、養子Cの代襲相続人となりますか。
民法第887条第2項に規定する「被相続人の直系卑属」とは、相続開始前に死亡した被相続人の子を通じて「被相続人の直系卑属」でなければならないと解されますから、G、H及びIは養子Cの代襲相続人となりません。
【関係法令通達】
相続税法第15条第2項、第16条
民法第887条第2項
第891条【相続人の欠格事由】
次に掲げる者は、相続人となることができない。
1. 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者